ツイン・ウォーク21 腎機能対策の効果的な歩き方その1

腎機能が低下した場合には、身体を休め、腎臓の機能を回復させることが一番とされるので、運動よりも、まずは休むことが必要になります。しかし、腎機能の低下の原因が、糖尿病の合併症である糖尿病性腎症である場合や、糖尿病性腎症の原因である糖尿病を予防する場合には、運動をして血糖値を下げることが有効となります。

血糖は血液中のブドウ糖のことで、その量が多いと、ブドウ糖は血管の細胞の中に入り込み、糖アルコールに変化します。細胞の中に糖アルコールが多くなると、水ぶくれ状態になって新陳代謝が低下させます。そのために血管の細胞の入れ替わりが遅れるようになって、細くて弱い細小血管が徐々に傷んでいきます。そして、充分な血液が送られなくなるために、臓器や器官などの機能が低下していくのが合併症です。

合併症のうち腎臓の細小血管が傷んで、腎臓の濾過が充分にできなくなることによって発症するのが糖尿病性腎症です。

血液中のブドウ糖は、最も代謝しやすいエネルギー源で、例えば歩き始めた時点から血液中のブドウ糖が多く使われ、血糖値は下がっていきます。血液中のブドウ糖は、膵臓から分泌されるホルモンのインスリンによって、筋肉細胞に多く取り込まれ、エネルギーとして使われます。

「15分以下の運動では効果がない」と言われることがあります。それは脂肪細胞(白色脂肪細胞)内の脂肪が分解されて効果的に代謝されるまでに10~15分間はかかるからです。その前に多く代謝しているのは、すでに分解された脂肪酸とブドウ糖です。

ブドウ糖は紙に、脂肪は木にたとえられることがあります。木に火をつけても、すぐには燃えないものの、紙なら、すぐに燃えます。すぐに紙は燃えてなくなりますが、木は燃え始めるまでに時間はかかっても、長く燃え続けることができます。エネルギー源のブドウ糖と脂肪の代謝も同じ関係にあります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕