ブドウ糖が多く代謝して、血糖値が効果的に下げられるのは、有酸素運動では始めてから10~15分間とされています。ブドウ糖の代謝はウォーキング程度の運動でも低下させられます。だから、血糖値が高い人は、無理をして長めに運動をすることはなく、激しい運動をすることもないわけです。
運動をすると、ブドウ糖が代謝して血糖値が下がるだけでなく、インスリンの働きを高めることができます。血糖値を低下させるためには、インスリンの分泌量を増やすこととインスリンの働きを高めることの二つの方法があります。
インスリンは血糖値が高まるほど分泌量が増えるという特徴があるため、インスリンを増やすことは容易ではありません。
インスリンが多く分泌されれば、それだけブドウ糖を取り込むというわけではなく、インスリンの働きを阻害するアディポサイトカインが脂肪細胞から多く分泌されると、取り込みは低下します。そのアディポサイトカインは、運動によって減っていくので、運動をするとインスリンの働きがよくなり、血糖値が下がっていくようになります。
逆に運動不足で太ってくると、インスリンの働きが低下してくるので、血糖値を下げるだけでなく、太りぎみの人は脂肪も効率よく代謝させるように、運動を続けるようにしたいものです。
腎機能が低下してくると、血圧が高くなり、血管の負担が強くなっていきます。糖尿病と腎機能低下が重なると、血管の負担は、さらに強くなっていくようになります。
血糖値や血圧の上昇のほかに生活習慣病に影響を与えるものとしては、中性脂肪とコレステロールがあげられます。中性脂肪もコレステロールも脂肪なので、食事で脂肪を減らせば血液中の数値を下げることができるように思われがちですが、ブドウ糖を多く含む、ご飯やパン、麺などの糖質を多く摂ると、これらの数値は上昇していきます。
というのは、血液中にブドウ糖が多くなると、膵臓でインスリンが多く分泌されるようになり、そのインスリンによって肝臓の中でブドウ糖は中性脂肪に合成され、コレステロールも増えていくようになるからです。血糖値が高くなりすぎないように、運動をするのは、中性脂肪もコレステロールも減らして、動脈硬化などの生活習慣病を幅広く抑制することにもつながります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕