ウォーキングは“背筋を伸ばして腕を大きく前後に振って歩く”というイメージがありますが、実際に歩いている人の姿勢を見ると、初めのうちは胸を張って肩を大きく動かしていても、疲れてくると徐々に首が曲がって、頭が前に出てくる人がいます。これは年齢を重ねた人に多く見られます。
頭が前に出ると首のカーブが大きくなり、上体も前屈みになり、肩も狭まってきます。これは書類やパソコンの作業を長く続けているときになりやすい姿勢と同じで、筋肉が緊張しやすく、肩も胸も開かなくなっているので、血流が低下しやすくなっています。
首が曲がって頭が前に出るのは上半身の筋肉が弱くなっているためであり、疲れてくるとよい姿勢が保てなくなることと、腹筋が弱っていることもあげられます。
そこで、背筋を伸ばしたときに、腹筋を意識して腹筋と背筋を締める感じにすると、自然と首の骨がきれいなS字を描くようになって、アゴが引かれた状態になります。腹筋と背筋を締めるためには、前傾姿勢になって腕の振り幅を大きめにします。
ウォーキングは全身の筋肉が動くことから、全身の血流を盛んにしてくれます。腕を振ることで肩の筋肉を大きく動かすことができるため、筋肉の中を通っている血管の収縮が大きくなって肩の血流も盛んになります。普通に歩いても血流が盛んになって、疲労物質の乳酸も流れるようになるので、肩こりの解消に役立ちます。
その効果を高めるためには、肩の動きがスムーズになるように、歩く前に腕と肩のストレッチをして、肩を前まわし、後ろ回しして、肩の可動域を増やすようにします。肩の周りの筋肉の動きをよくするには、右腕は前回し、左腕は後ろ回しにします。左右の動きを逆にして何度か繰り返します。左右の腕を逆回しすることで、肩が大きく動き、背中の筋肉も大きく動かすことができます。
これによって、歩くだけで肩の動きが大きくなり、肩の周りだけでなく上半身の血流を盛んにすることができます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕