運動をすれば筋肉が強化されていきます。歩くだけでも腰の筋肉が使われ、強化することはできるものの、腰痛が起こりやすい人の場合には、普通に歩くだけでは強化のための刺激が不足しています。腰痛は、腰が痛いということで背筋が弱っているものと思われがちですが、腹筋とのバランスが重要で、腹筋も背筋も刺激することが必要になります。
腹筋が弱っていると腹が出た状態になりやすく、歩く姿勢も前屈みではなく、直立か後ろに反るような感じになります。これでは勢いよく歩いて、筋肉の刺激を強めることができなくなります。
腹筋と背筋を鍛えるには、少し前傾姿勢になり、胸を反らす感じにして、腹筋と背筋を意識して歩くようにします。胸を反らす感じというと、アゴが前に出てしまう人もいますが、アゴは引きぎみにして腕を大きく振って、歩幅を広げるようにして歩きます。
筋肉が硬くなった状態で歩くと、刺激が強くなりすぎて、痛みを引き起こすことにもなりかねないので、腰痛が心配な人は柔軟体操をしてから歩くことが大切です。
ただし、腰に軽くても痛みがある人は、少し身体を起こしぎみにして、背筋にかかる負担を減らすようにします。
腰痛は血液の流れがよくないために起こることが多くなっています。立ちっぱなし、座りっぱなしの人は、歩く時間を増やすことで筋肉の収縮を進め、全身の血流を盛んにして腰にかかる負担を減らすようにします。
筋肉は、無酸素運動では筋繊維を太くしてパワーを高めることができますが、筋肉がブドウ糖や脂肪酸を代謝させてエネルギー代謝を高めるためには向いていません。代謝を高めるのは有酸素運動です。有酸素運動のウォーキングを続けることで、筋肉は大きくは増えていないようでも筋肉を刺激し続けることで代謝力は高まっています。
代謝力が高まるとともに酸素を多く取り込むことで、細胞内のミトコンドリアの中での代謝が盛んになり、疲労物質の乳酸も発生しにくくなります。このことによって腰痛の予防と改善ができるようになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕