ツイン・ウォーク34 バランスのとれた歩き方

歩くときに次に意識するのは、2本の足と2本の腕の左右交互・前後動のバランスです。バランスを取るために上半身では肘と肩関節が回旋し、これに連動して下半身では足関節、膝関節と腰部とが体重を支えながら逆方向に回旋してスムーズに動いています。

上半身と下半身を連携させているのは腰部であり、腰部の動きが全身のバランスの中心となっています。足を踏み出すときには、先に肘がリードしてリズムを取り、片足が踏み出されるときには反対側の肘が出て、胴体がひねられて膝が前に出て、進行方向に身体を進めています。

上半身と下半身の動きのバランスが取れていると、重心の上下移動が少なくなり、頭の位置が変わらず、スムーズに前進移動できるようになります。上下移動は平均2.5cm、左右移動は平均4.5cmといわれます。

移動中のバランスは、前後の移動では足裏の踵からつま先までの縦の範囲で支え、左右の動きは両足の拇指(親指)と第五指(小指)で横の範囲で支えられています。

足裏では拇指、第五指、踵で描かれる三角形を活用して、重心が移動するときの姿勢を整えています。足裏の三角形を意識して歩けるようになったら、初めに地面に踵を着き、徐々に体重を前に移していって、足裏全体を着地するようにして、拇指と第五指を基点にして蹴り出すようにします。それと同時に反対側の足を前に踏み出します。

拇指と第五指は、足を安定させるだけではなく、しっかりと地面をつかむようにして捕らえると、足裏全体の筋肉を使って足を前に進められます。片方の足裏が安定すれば、反対側の足が振り出せるようになって、しっかりと着地して、安定した三角形から次の一歩を踏み出せるようになります。

直立しているときには左足と右足の角度が同じになっていても、歩いているときには左足と右足の前進方向に対する角度が異なっている人も少なくありません。左右の足の角度が同じになるようにして、左足の歩幅と右足の歩幅が同じになるようにします。

また、歩幅が過度に広くなると踵での着地に頼る歩きとなり、足への負担が強くなり、スポーツ障害の危険性が増す可能性があります。特に、速歩では歩幅が広くなる可能性があるため、意識的にピッチを上げるか骨盤からの体重移動を意識する必要があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕