人間の身体は酸素を多く取り込む運動を続けて酸素不足になったときには、酸素の取り込みを盛んにします。この盛んというのは、運動時の変化ではなくて、運動をしていないときのことで、日常生活での酸素の取り込みが増えることになります。酸素を多く取り込めば、それで脂肪の代謝が盛んになるわけではなくて、運動も必要です。その運動としてすすめられるのが有酸素運動です。
EPOC効果は、運動をしていないときにも脂肪代謝が高まるということで、休息中にも就寝中にも効果が高まります。個人があって、高まる消費エネルギー量は50〜120kcalとされています。50kcalであったとしても15分間のウォーキングに相当するため、動かない状態でも身体を動かしているのと同じエネルギー消費の効果が得られます。
ただし、運動を続けていると最大酸素摂取量が高まって、以前と同じ負荷の運動をしていても、最大酸素摂取量の60%に達しなくなるということは普通に起こります。最大酸素摂取量の60%というのは、なんとか会話をしながら続けられる強度を指しているので、これを目安にして有酸素運動に取り組むようにしたいものです。
EPOC効果は有酸素運動だけでなく、無酸素運動による効果についても研究が進められています。有酸素運動と無酸素運動の、どちらに効果があるのかという研究で、脂肪代謝の割合、効果の継続時間が確かめられています。
有酸素運動では30〜60分の運動を、週に3〜5回実施することで、半日ほどもEPOC効果があり、消費エネルギー量は50〜120kcalという有効性が確認されているので、有酸素運動を基本として、これに無酸素運動を加えればよいこととなります。
有酸素運動と無酸素運動を繰り返すサーキットトレーニングでは、歩くだけでも速歩は無酸素領域の運動となります。これは、なんとか会話ができる速度でのウォーキングとなります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕