普通歩行というと時速4kmが標準とされていますが、個人によって普通に歩ける速度、効果的な移動速度は違っています。一般的には時速2.9〜3.6kmで、時速4kmというと、やや早い感じです。普通歩行でよいと言われると、つい楽な速度で歩いてしまいがちですが、それではウォーキングによる健康効果が得にくくなります。どんな健康効果かというと、有酸素運動による脂肪代謝です。
脂肪代謝といってもピンとこない人が多いかと思いますが、一般には“燃焼”と呼ばれることで、体内の脂肪酸を細胞が取り込み、細胞の中にあるエネルギー産生器官のミトコンドリアの中でエネルギー化することを指しています。
燃焼という用語を使わないようにしているのは、体内で脂肪が燃えるようなことはないからです。簡単に説明すると脂肪酸には種類があり、低めの温度であっても300℃以上が必要です。それに対して、人間の細胞の温度は42℃までしか上昇しません。体温計の上限も42℃で、これ以上の温度になると細胞が変性して生きていけなくなります。変性は、生卵が茹で卵に変わることをイメージするとわかりやすいかと思います。
燃焼していないなら何が起こっているのかというと、ミトコンドリアの中での生化学反応です。これについては別の機会に詳しく説明します。
脂肪酸を効果的に代謝させるためには、酸素と一定の温度が必要です。代謝効率がよい温度は36〜38℃とされています。酸素を細胞内に取り込むためには、体内に取り込む量を増やすことが必要で、それに効果があるのが有酸素運動のウォーキングです。吸収が高まる歩行速度が有酸素運動です。ウォーキングによって血流が高まりますが、酸素は血液によって全身の細胞に運ばれているので、歩くことは、無理をせずにエネルギー化を促進する効果がある運動といえるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕