ドライフルーツは乾燥させたことで食物繊維が多いのですが、中でも水溶性食物繊維が多くなっています。ドライフルーツに糖分が多めに含まれていても、水溶性食物繊維のおかげで、胃から腸にゆっくりと運ばれていくことから、吸収にも時間がかかり、血糖値の上昇を抑えることができます。血糖値が急上昇すると膵臓からインスリンが多く分泌されます。インスリンには肝臓で脂肪合成を進める作用があるので、血糖値が上昇しにくいということは太りにくいことになります。
水溶性食物繊維は腸内で善玉菌のエサになって、腸内環境を整えるのに役立ちます。腸内では神経伝達物質のセロトニンが合成されています。セロトニンは脳で約2%、血液中で約8%、腸内で約90%が合成されています。腸で合成されたセロトニンは脳に運ばれますが、脳内の神経伝達を高め、ストレスに打ち勝つ作用があることが認められています。水溶性食物繊維によって腸内環境を整えることによって、脳機能を高めることが期待されています。
ドライフルーツにはブドウ糖が含まれていますが、ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源となっています。脳の摂食中枢は脳内のブドウ糖が減ってきたときに刺激されるので、空腹を感じてきたときにはブドウ糖が減った状態になっています。そのタイミングでドライフルーツを食べることはブドウ糖を補って、脳機能を保つ効果があります。
ドライフルーツは生のフルーツに比べると格段に硬く、噛む回数が増えます。よく噛むと唾液が多く分泌されて消化しやすくなるうえに、代謝が進みやすくなり、エネルギー代謝が高まることによって体熱も多く発生するようになります。よく噛むことは脳内でのセロトニンの合成を高める作用があります。
ドライフルーツに含まれるビタミンB群は代謝に使われ、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは抗酸化作用に使われるので、紫外線が強い季節や運動をしたときには不足しやすくなっています。また、汗の中にはカルシウムをはじめとしたミネラルが含まれ、汗をかくほど失われていきます。運動をすると活性酸素の発生量が増え、紫外線を浴びると、さらに活性酸素は増えていきます。これらの成分が豊富なドライフルーツはサプリメントと同じように持ち歩くこともすすめられます。