ニュースが正しい情報を伝えているとは限らない

テレビ番組のテロップは、話している人の言葉と一致しているとは限らないということを前回触れました。それは「断然」と言うべきところを「全然」と言ったのでテロップで修正した、「すごく」と言うべきところを「すごい」と言ったので修正した、「押しも押されもせぬ」と言うべきところを「押しも押されぬ」と言ったので修正したというのは、よく目にすることですが、それだけの問題ではありません。
テロップの文をよく見ながら、発言している言葉を聞いていると、話している内容とテロップが異なっていることもあります。外国語のコメントは、各国の言葉に精通していない身には聞き取りようがないので、テロップの内容を、そのまま信じるしかないということもあります。せめて日本語の発言の場合には、テロップと合っているのかをチェックすることは大切で、もしも言葉と文に違いを発見したら家族にも伝えるべきです。そうしないと、テロップを使って情報操作をされたとしても、気づかずにスルーするようなことにもなりかねないからです。
誰か(?)の手によって修正されたり、選択されたものを、そのまま信じるというのも問題ありと感じてほしいところですが、これもスルーされがちです。ニュース番組で事実関係を伝えたあとに、庶民の声を街角から拾って伝えるのは通常の方法です。しかし、それは話を聞いた人のすべての声でもなければ、多くの人の意見を聞いて、その割合に応じて発言の数を決めているわけでもありません。このことはメディア関係者ならずとも当たり前に知っていることです。
テレビのニュースもテレビ局が選んだものを流しているわけですが、他の局と内容が大きく違うわけではありません。地方局だと、あまりニュースがないことから、どのチャンネルでも同じことを報道しているということはあるのですが。
ところが、ネットニュースになると、単に多くのニュースの中から選択をしているということだけでなくて、ポータルサイトになるとネットに溢れている意見を表に出したネットニュースからピックアップしているので、どうしても偏った意見になりがちです。そんな状況なのに、ネットニュースを見ているから世の中の状況はわかっていると言っているのは、若者だけでなく、大人世代にも広がっています。