ファスティング13 食べる量よりも種類で異なる効果

腸内細菌の善玉菌と悪玉菌は、細胞内に栄養源(エサ)を取り入れて、代謝生成物を排出していますが、主に栄養源としているものが異なっています。善玉菌が主に栄養源としているのは糖類、食物繊維です。

乳製品に含まれる乳糖も栄養源となることから、乳製品(牛乳、ヨーグルトなど)も含まれています。これに対して、悪玉菌が主に栄養源としているのは動物性たんぱく質(肉類、魚類など)と脂肪です。

和食は糖類と食物繊維が多く含まれているので善玉菌を増やしやすく、洋食は肉類と脂肪が多く使われるために悪玉菌を増やしやすくなっています。和食の食材の一つの大豆製品(納豆、豆腐、豆乳など)は、たんぱく質が豊富に含まれる食品ですが、植物性たんぱく質で、糖類と食物繊維が豊富なために善玉菌の栄養源となります。

食物繊維は人間の消化酵素では消化されず、吸収もされない性質があり、小腸を通過して大腸まで運ばれます。食物繊維は単糖が多く結合した多糖類の構造で、腸内細菌の善玉菌によって分解されて、単糖(ブドウ糖、果糖など)になり、これが善玉菌の栄養源となります。

ファスティングによって食事量が少なくなると、その分だけ便の量は少なくなりそうですが、便の70〜80%は水分で、10%ほどが腸内細菌(死骸と生きている腸内細菌)で、これ以外が小腸から吸収されなかった食べ物のカスや腸壁から脱落した細胞などです。

それほど便が少なくなることはなくて、善玉菌の働きがよくなることで便の量が増えることによって、通常の量か少し量が減るくらいの状態となります。

ファスティングの期間には、悪玉菌の栄養源が減ることによって悪玉菌が減り、毒素も少なくなることから腸内環境が整えられていきます。毒素が少なくなった結果、大腸壁から血液中に入る毒素が減り、肝臓への負担が弱まると同時に、免疫細胞が毒素を処理することが減ることによって、肝機能の向上や免疫強化にもつながります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕