全身の細胞の中で生化学反応を起こす酵素を正常に働かせるためには、補酵素が必要となるものがあります。酵素の多くは酵素だけで機能しているわけではなく、その働きを補う有機化合物が必要となります。そのことから補酵素と呼ばれています。
多くの補酵素はビタミンを材料にして体内で作られていて、中でも水溶性ビタミンのナイアシン、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂は重要な働きをしていて、不足すると各酵素の活性を低下させ、エネルギー代謝にも影響を与えます。
酵素はアミノ酸を材料にして肝臓で合成されているので、アミノ酸のバランスがよいたんぱく質が摂れていれば不足するようなことはありません。また、肝臓で合成された酵素は、消化酵素が含まれる食品が充分に摂れていれば、全身の細胞で生化学反応を起こす代謝酵素が不足することもありません。
しかし、ビタミンB群が不足すると、補酵素が不足することから、酵素の働きも正常には保たれないことになります。
マグネシウム、亜鉛、銅、鉄などミネラルの一部も補酵素となっています。中でもマグネシウムは約300種類の酵素の補酵素となっており、亜鉛は約200種類の酵素の補酵素となっています。この2種類の補酵素が不足すると、多くの酵素の機能が低下して全身の機能に影響が出ることになります。
補酵素は代謝促進成分にもなっています。一般にエネルギー代謝に必要な代謝促進成分としてはα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10があげられます。
このうち補酵素となっているのはコエンザイムQ10で、ミトコンドリアでエネルギー産生をしているTCA回路の中でエネルギー物質のATPを作り出すために働いている酵素の補酵素となっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕