ファスティング21 ファスティングの前後で摂るべき栄養成分

ファスティングの期間には、健康を維持するために摂取を心がけても不足しがちな栄養成分があります。体内で長く保持される成分は、ファスティングの前に摂取して蓄積させておくようにします。

その摂るべき成分としては、ビタミンB群のビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂と、脂溶性ビタミン、代謝促進に必要なミネラルがあげられます。

ビタミンB群はミトコンドリアのTCA回路でエネルギー産生が行われるときに必要で、これらのビタミンがあることによってTCA回路内のクエン酸から次々に変化をして、一回りして再びクエン酸に戻る過程でエネルギー物質のATPが発生します。

このうち1種類が不足してもエネルギー代謝が大きく低下して、エネルギーが作られにくくなり、運動をした割には体脂肪が減少しないということが起こります。これらのビタミンB群は前日の夕食ときには必ず摂取するようにします。

脂溶性ビタミンは脂肪に溶ける性質があるため、脂肪細胞にも蓄積されています。数日間のファスティングであれば不足することはありませんが、できれば前日まで多めに摂取するようにします。ビタミンは複数の種類が組み合わされて体内で働いています。一部でも不足すると全身の機能低下に結びつくことから、多めに蓄積することを心がけます。

代謝促進に必要なミネラルは主にはマグネシウムと亜鉛となります。マグネシウムは骨にも多く含まれ、不足したときにはカルシウムとともに溶け出して補われます。カルシウムは神経伝達物質としての役割もあり、ファスティングなどで食事量が減ったときに精神的な症状を防ぐためにも使われます。

カルシウムも不足すると骨から溶け出して補われます。これらのミネラルも前日までに多めに摂るようにします。

ファスティングが終了したあとの食事は胃腸に負担をかけないものが優先されますが、それと同時に前日までに摂取がすすめられる不足しがちな栄養成分を摂取して、早めに補っておくことが重要になります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕