ファスティング4 ファスティングの意味の用語説明

核心はエネルギー代謝にあり(ファスティング3)に関連する用語を説明します。

〔生理学〕
人体を構成する組織、臓器、器官、細胞の仕組みと法則を明らかにして、どのような活動を行っているかを解き明かす学問。エネルギー代謝、体温維持、臓器などの亢進と抑制、自律神経の切り替え、分泌などは、すべて生理学の範囲とされる。

〔たんぱく質/タンパク質〕
筋肉や臓器、器官、血液などを構成する成分であり、酵素やホルモン、免疫物質などの生命維持に必要な構成成分となっている。エネルギー源の糖質、脂質が不足したときにはエネルギー源として使われる。体重の20%ほどを占めている。人間のタンパク質は20種類のアミノ酸によって構成されている。たんぱく質は肉、魚、卵、牛乳、大豆などに豊富に含まれている。本テキストでは、食品に含まれるものを「たんぱく質」、体内の構成成分は「タンパク質」と使い分けている。

〔アミノ酸〕
食品のたんぱく質と生体のタンパク質の構成成分で、自然界には500種類以上のアミノ酸があるが、人体を構成するアミノ酸は20種類となっている。体内では合成できないために食事から摂取しなければならない必須アミノ酸と、体内で合成される非必須アミノ酸がある。必須アミノ酸がすべて揃い、分量も足りている食品は“良質なたんぱく質”と呼ばれている。

〔グリコーゲン〕
多数のブドウ糖が結合した蓄積のための糖質。肝臓と骨格筋で合成され、肝臓には100〜120gが蓄積され、骨格筋には体格にもよるが300g前後が蓄積されている。血液中のブドウ糖が不足した場合にグリコーゲンが分解されて血液中に放出される。筋肉に蓄積されたグリコーゲンは筋肉を収縮させるためのエネルギー源となっている。

〔ブドウ糖〕
活動のための全身の細胞で素早く使われるエネルギー源で、グルコースとも呼ばれる。基本的には細胞はブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸をエネルギー源とできるが、脳細胞はブドウ糖が唯一のエネルギー源となっている。これは血管と脳の間の関門(血液脳関門)はエネルギー源ではブドウ糖しか通過できないため。

〔ミトコンドリア〕
細胞内にあるエネルギー産生のための小器官で、名称はギリシャ語のミト(糸)とコンドリア(粒子)に由来している。直径1μm(マイクロメートル)の糸状の形をしている。1つの細胞あたり100〜3000個が存在しており、骨格筋や肝臓の細胞には多くのミトコンドリアがある。その重量は体重の10%ほどを占めている。

〔中性脂肪〕
動物や植物の脂質と体脂肪の大部分を占める貯蔵型の脂肪。脂肪酸3個とグリセロール1個から構成されている。体脂肪として脂肪細胞の中には中性脂肪として蓄積され、血液中の脂肪酸が不足したときには脂肪酸に分解されて血液中に放出される。名称は酸性、中性、アルカリ性の酸・アルカリ度とは関係なく、英語名のトリグリセライド(triglyceride)を和訳したもの。

〔脂肪酸〕
脂肪の最小単位で、炭素数が2〜4個のものは短鎖脂肪酸、5〜12個のものは中鎖脂肪酸、13個以上のものは長鎖脂肪酸と分類されている。炭素と炭素の間に二重結合がない脂肪酸は飽和脂肪酸、二重結合が1個のものは一価不飽和脂肪酸、2個以上のものは多価不飽和脂肪酸に分類される。

〔グリセロール〕
脂質の構成成分で、脂肪酸を結合する働きがあるアルコールの一種。生体内では中性脂肪、リン脂質などの骨格となっていて、エネルギーを作る際に脂肪酸とグリセロールに分解される。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕