プレバイオティクスと腸内環境の関係

腸内細菌の善玉菌を増やすために使われるのは乳酸菌などで、乳酸菌は善玉菌と似たような発酵を進めることから、善玉菌が増えたのと同じようになります。その生きている菌を入れてあげることはプロバイオティクスと呼ばれています。
善玉菌と同じようになるといっても、外から腸内に送り届けた乳酸菌は腸内では1〜2日ほどしか生きてはくれません。しかし、乳酸菌が生きている間に生成された物質によって腸内の酸性度を高めることから、もともと腸内に棲息している善玉菌が増えていきます。これによって、あたかも乳酸菌が腸内に定着したのと同じような結果が得られるわけです。
善玉菌のエサ(栄養源)になるものを腸内に届けて、善玉菌を増やすことはプレバイオティクスと呼ばれています。善玉菌の代表であるビフィズス菌に対するオリゴ糖が、それに当たります。プレバイオティクスにはフェカリス菌の死菌なども含まれていますが、これらのものを摂れば誰もが善玉菌が増えるのかというと、そうはいきません。善玉菌はエサを与えるだけでなく、発酵しやすい条件が整わなければなりません。その条件として大きいのが腸内の温度です。
腸内細菌の悪玉菌は腸内の温度が低くても高くても増殖しますが、善玉菌は高めの温度で増殖します。日本人は血液温度が低いために、腸内が温まりにくく、善玉菌も増えにくくなっています。運動をして血流を盛んにすることで腸を温めていくことはできますが、それと同時にやりたいのは全身の細胞で発生する体熱を高めることです。サプリメントでの解決としてはヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10を摂ってエネルギー代謝を高めることをすすめています。
ここに出てきたサプリメント素材については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してもらえればと思います。また、日本人の体質とサプリメントの関係については、「サプリメントプロ検定」のメインテーマとなっているので、講習と情報提供で明らかにしています。