ポストコロナ「なくせ七癖」3

コロナ後を見据えて、私たちの七つの癖(①過去の成功例、②仕事の歴史、③知識、④人脈、⑤金脈、⑥地域の特性、⑦対象者)を見つめ直してみると、なくすべきものと、なくしてはいけないものが見えてきました。それぞれ立場も歴史も考え方も異なるので、私たちの考えは、あくまで一例でしかないことは充分に認識しています。
過去の成功例は、自分たちの能力だったのか、それともラッキーだったのか、そこを振り返って、ラッキーな部分を取り除いて成功例の度合いを判断するようにしています。私たちが参加した納豆のPRは大きな成功事例として今も語り継がれているところですが、当時は口にしなかったラッキーがありました。それは狂牛病の大流行で牛肉だけでなく豚肉の売り上げも落ちていて、代わりのたんぱく源が求められた時期だったので、売り上げが10%も上昇したという背景があります。
仕事の歴史ですが、仕事の成果が個人の能力だったのか、それとも特定の会社にいたからだったのか、ということを考えています。すごい人材だと思っていた人が、他のところに移った瞬間に、そうでもないということがわかることもあります。本人が気づいていればよいのですが、自分ではなくて周囲がおかしいと思い込む人もいて、仕事の歴史を再度チェックする必要があります。
知識は単に学んで身につけたことではなくて、趣味や同好の仲間との行動によって獲得した知識も含んでいます。個人の知識には限界があるものの、多くの知識を重ねていくと足し算ではなく、掛け算式に高まっていきます。その掛け算の相手に相応しい人なのかという見極めをして、なくすべき癖を判断するようにしています。
人脈は重要ですが、長らく付き合っていなかった人は、コロナ禍の大逆転で仕事の面だけでなく、人間性も変わってしまったということに何度かぶち当たりました。知っている人を、お互いに活かしあえる人とするために、私たちは毎週1回、健康関連情報を収集して、400人以上の医師、研究者、団体役員、メディア関係者などに11年以上も送り続け、反応を確認しています。
金脈はあるに越したことはないのですが、掘り起こせない金脈はないのと同じです。常に掘り起こせる人脈の継続があってこその金脈です。これはなくすつもりがなくても、コロナ禍で稼ぎの基本が崩れて金脈でなくなってしまった例が多々あります。今こそ整理が必要となりました。
地域の特性は、狭い範囲を対象にするのか広域なのかということですが、まずは足元をやらずに全国制覇を目指すような人や企画は、地域の人に生かされている立場に気づけば、何から始めるべきなのかは見えてきます。
最後の対象者ですが、これまでの高齢者のための活動、子どものための活動という拘り(こだわり)という癖はなくそうとしています。地域に足元を置いて考えてみると、子どもから高齢者までの三世代、四世代はつながっていて、子どものための行動は高齢者のための行動であり、そのメリットがまた子どもに戻ってくるという新たな発想をもって、コロナ後の行動を起こしたいと考えています。