ポストコロナ「わたしゃ百まで踊り忘れず」3

健康を維持するためには、日々の活動を継続することが大切で、年齢を重ねると遊べなくなるということを嘆くのではなく、遊べなくなったこと、遊ばなくなったことが老いていく原因になっているということを前に紹介させてもらいました。年齢を重ねると歩けなくなるのではなくて、歩かないから歩けなくなるのであって、年齢のせいにして出歩かないことが健康度を低下させることになります。
新型コロナウイルス感染症が蔓延したときに、人流を減らすこと、三密を避けることが対策として重視されて、歩く機会が本当に減りました。これは高齢者に限ったことではなくて、国民的に歩かなくなりました。その結果が出るのは、すぐのことではなくて、2〜3年はかかります。コロナ時代の前に、歩いての健康づくりを推進する地域があり、実際に歩くことで医療費の削減が行われました。その結果は、すぐに現れてもよいはずなのに、目に見える結果が現れたのは2年以降でした。
このような活動の結果が出るには、プラスの効果であってもマイナスの効果であっても、一定の期間がかかるということです。
ずっと歩いてきた人は、もっと歩いて健康になり、その結果として医療費が減ることを期待するところですが、実際には歩く人がプラスで歩いても効果は出にくくなっています。歩くことによる健康効果の向上、医療費の削減の効果が最も得られるのは、あまり歩いてこなかった人です。
そのことを伝えると、好きなこと(ウォーキング)を続けていても、効果がないのではないかと言われそうですが、年齢を重ねての、今の健康度が保たれるということは、若い人であれば健康度が上がっていくことと変わりがないことです。基本的な歩くことによって現状を維持して、さらに楽しみで続けることが加わると、健康度を大きく高めることができます。
そのことを伝えたくて、「わたしゃ百まで踊り忘れず」という妙な言葉を使ったのです。