下手なくせに、ある物事が好きで熱心にすることを表す諺(ことわざ)は「下手の横好き」といいます。下手の対象となるのは本業から逸れたことや趣味の世界などを指していて、「もっと本業に力を入れたらどうだ」と忠告されるようなことがあるのは、「下手の横好き」と認識されているからのことです。上達もしないのに夢中になっていることを揶揄する言葉としても使われていますが、いつまでもうまくいかないことにこだわっているのではなくて、「早く仕事を変えたらどうだ」という使われ方がされていることがあっても、本来の意味は、あくまでも本業以外のことを指しています。
今回のテーマの「下手に横突き」は、そのまま読むと“下手くそに横に突く”と見えてしまうことから、また健康ウォーキングのことで、2本のポールを突いて歩くノルディックスタイルのウォーキングのことを書く気なのかと思われることもありますが、ポールを前方に突くか後方に突くといった歩き方をすすめているのに、横に突いてしまうと歩きにくくなってしまうのは事実です。しかし、そんなことを言いたいがために、諺をもじったわけではありません。
戦うときの敵は突撃をするときには前にいて、退却をするときには後ろにいます。その敵の位置に合わせて防御をしているときに、味方だと思っていた人に横からいきなり竹槍で突かれるようなことを指しています。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の前であったら、敵と味方は明らかで、あまり味方から攻撃されることは想定されてこなかったのですが、コロナ禍が長引き、危機的な状況に追い込まれていると切羽詰まって、本能寺の変や関ヶ原の戦いのような味方を攻めても生き残ろうという人が出てきても、それも自分の生き残りを最優先させて思わぬ行動を起こしていることで、そういった人が増える一方です。
どんな横突きが起こっているのかについては次回に続きます。