コロナ後を踏まえて、これまで続けてきた得意とするところを進めていくのか、それとも苦手であっても新たなところに移っていくべきなのか、その判断を迫られ、実行した人は数多くいます。得意分野での活動を目指す人には、「猿も木から落ちる」というのは酷な諺(ことわざ)です。木登りが得意な猿でも木から落ちることがあるということで、達人でも失敗をするのだから、凡人なら失敗しても仕方がないという意味で使われています。
他にも、弘法にも筆の誤り、河童の川流れ、上手の手から水が漏れるなど、複数の諺があるということは、それだけ失敗してもリベンジしようと頑張る人が歴史的にも多かったということを示しています。
新たなことにチャレンジして、失敗したら次のことにチャレンジすればいい、という、これまでと同じ感覚ではいられないほどコロナ禍は過酷な影響を与えました。これまで頑張ってきたことを簡単に手放してよいのか、それこそ去ってしまうと木から落ちてしまい、場合によっては命を失うようなことにもなりかねないという状況を示したいために「去ると木から落ちる」というもじりをしました。
これまでの経験、人脈は、失うものが多い時代には大事な財産です。その財産は会社や地域を離れて移住したとしても継続するものという考えはあります。新型コロナウイルス感染症が蔓延するまでは、これまでの人脈も使うことができました。しかし、コロナ禍が長引き、収束後にも前のようには戻れないことが明らかになるにつれて、自分の生き残りに必死で、遠くに行った者と付き合っている暇はないという人も増えてきました。増えたどころではなく、ビジネス関係では、ほとんどが振り向いてくれなくなるということにもなりました。
そのことを身を以て体験したから、去ったことの厳しさを伝えようとしています。
去ったのではなく、新たな活動のために心身ともに切り替えが必要だから、あえて移った、切り替えができたから、いよいよ行動に移す、それはポストコロナの生き残りにつながる、という話については、次回に続きます。