ポストコロナ「好きこそものの上手投げ」2

コロナ禍で落ち込んだ営業成績を一気に取り戻そうとしたら、これまで続けてきて慣れていることで、周囲からも勢いを感じられる方法にしたいと考えるのは、ある意味では当たり前のことです。コロナ禍で客足が減って撤退を考える人がいる一方で、感染が収束してきた段階で客足が減ったとしても撤退した店が多いので、そんなには減らないと考える人もいます。コロナ禍を経験したことで意識が変わった市民の中には、これまでと同じ内容のサービスでは魅力に感じない、わざわざ足を運ぶ必要がないと感じる人も増えてきています。
これまでの代わり映えのない意識の中では、客が多ければ、やり方を変えれば集客できると考える人もいるのは当然のことですが、また厳しい状況になったら、同じ被害を受けることがわかっているところに、わざわざ踏み込んでいくのがよい選択であるのかというと、大いに疑問を感じるところです。今後も感染症は3〜5年ごとにあり、しかも今回と同様に複数年に渡る感染が予測される現状では、大津波で被害を受けたところに津波対策をしないで再度建物を作ろうとしていることと同じようにも見えます。
好きなことだから苦労をしても続けていれば報われるという「好きこそ物の上手なれ」という考え方ではなくて、新たな仕事場であっても努力が報われるところに踏み込むことも必要です。とはいっても、まったく新たな世界に踏み込むのは不安もあり、人脈も少ないことから、なかなか踏み込めないということも事実です。ということから、これまでの世界ではあっても、別の切り口、別の方向性で新たなことに取り組むことが必要ではないかとの考えもあります。
これまでの世界といっても、同じターゲットでの仕事では競争が厳しいところに踏み込むのは勇気がいりすぎますが、世界を変えずにターゲットを変えてみる、違うターゲットも受け入れてみるということを提案する意味で、「好きこそものの上手投げ」という言葉をあげています。