ポストコロナ「好きこそものの上手投げ」3

競争が激しい世界は、それだけの顧客が存在しているということで、注目される魅力を打ち出せれば勝てるという判断をされることがあります。しかし、これはコロナ禍のような厳しい状況がなかった時代に確立された判断であって、国民の意識が大きく変わってしまうような“禍”(わざわい)を経験した後にも同じことが続いてくれるとは限りません。
競争相手が多い世界を表す言葉としてよくあげられるのが「レッドオーシャン」(Red Ocean)です。これは血で血を洗うような厳しい社会を指していて、初めから苦労をすることがわかっている世界に踏み込もうとしている人にストップをかけようとするときに使われています。これに対するのは「ブルーオーシャン」(Blue Ocean)で、まったく敵がいない社会を指しています。
まったく敵がいなくて、血を流す必要がないといっても、商品やサービスでいえば買ってくれる人がいない場所であったら、これはブルーオーシャンではない、砂漠のような土地といえます。どんなに努力をしても、砂に水を注ぐような状況となるだけに、ブルーオーシャンを探すことは重要です。それは実はレッドオーシャンの中に隠れていることがあります。
私たちの狭い範囲での例でしかありませんが、発達障害児の学習障害の支援では、ライバルとなるのが発達障害児支援施設だと考えると、児童発達支援事業は約8000件、放課後等デイサービスは約1万4000件が全国各地に存在しています。学習塾をライバルと考えるなら全国に5万5000件以上が存在しています。学習障害児のための学習塾を運営するなら、これだけの敵がいる中でのレッドオーシャンとなります。
これだけの施設があるということでは、利用者が多く、需要もあるということです。これだけの利用者に対して新たなサービスを始めるのも、客の取り合いということではレッドオーシャンです。それをブルーオーシャンに切り替えるには、これまで発達障害児支援施設も学習塾も手をつけてこなかった新サービスで、しかも発達障害児支援施設も学習塾も学びに来るサービスを始めることです。
そこで新たに始めるのは発達障害児支援施設が実施している運動機能・認知機能の向上と、学習塾が実施している学力向上の間に位置していて、どちらにも求められる「学業技能の向上」という世界です。この内容については、日本メディカルダイエット支援機構のサイトで新たな連載を始めていきます。