コロナ禍によって事業が進めにくく、休みの時間が長くなっているときに、これをチャンスとしている人もいます。一つは仕事をするために必要な勉強をしたり、資格認定を取得することで、以前だったら座学でなければ学べなかった講習がオンラインでもできるようになりました。それもあって、オンラインで受講できる資格認定は急に増えました。以前から実施されていた講習がオンラインで受講できるようになったものもあれば、この機を逃さないとばかりにオンライン講習から始めるところもあります。
受講する側が資格の内容がわかっていないというのは普通にあっても、中には教える側が自分の資格の実際のところがわかっていないということもあります。ある資格認定(と濁らせておきますが)は「厚生労働省認定○○○○協会○○○○士」ということをうたっています。○○○○士という資格はあって、○○○○協会が認定したということならわかるのですが、協会名の前に「厚生労働省認定」というのは、ありえないことです。
日本メディカルダイエット支援機構の理事長が、以前に理事を務めていた公益財団法人日本健康スポーツ連盟は優良なフィットネスクラブの調査と指導を実施していて、一定の条件を備えると「厚生労働大臣認定運動型健康増進施設」という名称と看板(プレート)を受けることができます。個人の資格認定ではないのですが、なぜ例示したのかというと、「厚生労働大臣認定」という資格はあっても、「厚生労働省認定」という資格は存在していないからです。
例として出した○○○○協会は、実は旧労働省が講習の補助金を出すことを認めた講習を実施している団体であって、あくまで認めているのは協会のほうで、個人の資格認定ではないからです。それを協会のほうが間違った認識をしているわけではなくて、わかりにくい表現をして講習をしているのは、厚生労働省認定というタイトルを資格認定者が有難がっているので、認定団体もなんとなく受け流しているところがあるからです。
なぜ詳しく知っているのかというと、日本メディカルダイエット支援機構の理事長が、その資格認定講習の講師の依頼を受けたときに、疑問を感じて厚生労働省の担当を訪ねて確認して、本当のところを知ったからです。知らない人には何を言っても理解されないということを示すのに、私たちは「猫にこんばんは」という言葉を使っています。これは「猫に小判」のもじりですが、本当のところは通じないのだから何を言ってもいいという態度は許されることではありません。