ポストコロナ「端より談合」2

談合をするつもりなどまったくなかったのに、談合に巻き込まれることはあります。具体的なことを書きすぎると、どの自治体のことを言っているのか、誰を談合の首謀者と言っているのかがわかってしまうことになるので、そこのところはぼかした表現にさせてもらいます。
新型コロナウイルス感染症が広まりつつあった2019年末のこと、感染拡大まではいかないだろうという今にしてみたら、とんでもなく甘いことを考える人のほうが多かった時期の話です。自治体が発注者のプロポーザルで獲得した観光事業を実施するときに、元役所の上の職員であった人を紹介され、なんでここまで親切にしてくれるのかと思えるほど手伝ってくれました。どんなに手伝ってくれても、外注費の一部しか渡せない内容だったのですが、それでも頑張るだけ頑張ってくれました。
その理由を聞いたときに、地元の役に立つことで、役所の職員だったときにできなかったことに参加できるのが嬉しいという、今にしてみると歯が浮くような言葉の連続でした。複数年の継続事業で、そのような説明をして国から補助金を引き出したことだったのですが、なぜか急に1年ごとになって、再びプロポーザルを実施するということになりました。そのときも元職員の人は、もっとよいことができるのだから受け入れるべき、とのアドバイスをしてきました。
そして、今回のテーマの「端より談合」が登場するのですが、これまでの1年間のご苦労様会ということで自宅での飲み会に誘われました。一緒に参加してくれた方も来るのだろうな、と思って訪問して、少し飲み始めたときから次々と訪問客がありました。その訪問客というのが自治体の経済界の有力者、保守系の議員、私たちが自治体と仕事をすることになったきっかけを作った人と続き、最後に発注者の自治体の担当者まで来ました。その場で、担当者から次のプロポーザルの条件が示されて、私どもが受注できない方法にされてしまい、反発することもできない状況に追い込まれました。
実は、これと似たことが小さな町でもあって、そのときにも巻き込まれて、仕事を失っていただけに最悪の事態を考えて感染対策を強く主張していたのですが、その談合の場では一笑に付されるような状態で、そんな主張をしたことが「端より談合」によって外されることになりました。