「絵に描いたモチベーション」というのは便利な言葉で、モチベーションが高まるようなことであっても、実際にやってみたら高まらなくて失敗に終わったというときに使っています。一部の盛り上がり、一時期の盛り上がりで先々を見通せなかったということが今の時代は多く、ましてやコロナ禍では「これは行けそうだ」と思いついたことが、少し環境や条件が変わっただけでアイデア倒れになってしまうというのは当たり前のように起こっています。
さまざまな場面で使うことができる「絵に描いたモチベーション」ですが、ここではあえて将来を見据えた新たなスポーツの創造というテーマで書き進めて、ポストコロナの時代に取り組むべきことを考えていくことにします。
ここでいう新スポーツというのは、オリンピックの新競技でも、これはスポーツなのかと疑問が抱かれることもあるeスポーツでもなくて、ユニバーサルスポーツを指しています。
ユニバーサルスポーツについては、日本福祉大学の藤田紀昭教授が「障害の有無に関係なく、一緒に実践できるスポーツ。また、体力、体格などで有利な人だけがゲームの主導権を握り、活躍するのではなく、それらに劣る人も同じように得点獲得や勝敗にかかわることができるように考案され、構造化されたスポーツ」と定義しています。
ユニバーサル(universal)は、すべてに共通すること、普遍的であることを示す言葉で、ユニバーサルな視野をもってスポーツの可能性を最大限に活用して、障害者も健常者も、また年齢にも左右されずに等しく参加して、健康面だけでなく、幸福につながる多方面の利益が得られる環境づくりを目指しています。
そのために、一生涯を通じて楽しく続けられる生涯スポーツの中から、私たちの理念を理解し、協力してもらえる団体の結集によって、参加者の能力や個性を遺憾なく発揮させて、新たな価値の向上を目指す活動を開始させていきます。そのスポーツの例となるのは、日本ワールドゲームズ協会に加盟するオリンピックに採用されていない競技と、日本レクリエーション協会に加盟しているスポーツ、そして、それ以外の生涯スポーツをうたっている新たな競技です。