健康食品・サプリメントの世界は日進月歩で、若い研究者の活躍の場が広がってきている中、この世界が始まったばかりのころから活躍してきた“老いた親”の研究成果にも学ぶべきところは数多くあります。これを古い情報と表現したら大先輩方に叱られそうですが、「負うた子に教えられる」だけではなく、「老いた親に教えられる」機会を設けて、両方を学び、その連続性や違いを知ってこそ、コロナ禍で大きく低下した国民的な健康度をV字回復させることができると考えています。
私たちが機能性食品と呼ばれた時代の今でいう健康食品の研究を始めたきっかけは、赤ワインのポリフェノールの抗酸化作用でした。この研究発表をされたのは当時、国立健康・栄養研究所の臨床栄養部長だった板倉弘重医学博士で、その後には日本臨床栄養学会の理事長を務めていました。80歳を超えた今でも日本ポリフェノール学会の理事長を務めている現役研究者です。赤ワインのブームから抗酸化作用はさまざまな成分で確認されて、そのたびに「こちらのほうが抗酸化作用が高い」と発表されてきましたが、抗酸化のメカニズムは板倉博士の発表から変わってはいません。
本当の老いた親ということでは、日本メディカルダイエット支援機構の理事長の奥さんの父親は、大手乳業メーカーの研究所の出身で、退職後から90歳を超えるまでは健康食品の研究者としてテレビでも講演でも健康雑誌でも大活躍されました。その一つの成果である著書・監修の書籍が合計で165冊ということだけでも、多くの業界関係者に影響を与えたことがわかるかと思います。
健康食品やサプリメント(ビタミン、ミネラル、脂肪酸)は、通常の食事をしていれば摂る必要はないと考える栄養関係者もいますが、コロナ禍で、ここまで健康度が低下している状況を考えると、運動までいかなくてもウォーキングの時間を増やすだけでも、エネルギー代謝にすべての水溶性ビタミンが多く必要になることから、食事だけでは補うことは不可能となっています。栄養摂取のために多くの量を食べて、そのために太ってしまったら、健康度を高めるということに逆行することになります。だから、身体活動を高めるときには、多くの大先輩が築いてきた健康食品・サプリメントの研究成果を踏まえて、もっと身体機能に合わせた摂取をしていかないといけなくなったと伝えさせてもらっています。