ポストコロナ「腐ってもタイアップ」3

タイアップは、どんなに質が悪かろうが広めた者の勝ちということで、テレビ番組は情報(民放)やお知らせ(公共放送)といった言い換えで宣伝のためのタイアップをしています。放送枠だけをあけて待っていれば、タイアップを仕掛けた側が商品やサービスからコメンテーター、画像、周辺情報まで全部そろえて持ち込んでくれるので、テレビ局側としても「腐ってもタイアップ」という感覚になりがちです。ネット情報は、もっとタイアップがはびこっていて、情報なのか宣伝なのか、中には販売なのかわからないというものさえあります。
タイアップ(tie up)は結びつくという意味で、協力・提携といった形で双方に利益がある、相互に利益を共有できる関係のことをいいます。テレビ業界が情報として音楽や書籍などを紹介して、お互いに相乗効果を得ようという結びつきのほうが今では普通の使われ方になっていますが、タイアップは、ただ持ち込んでタダで、もしくはできるだけ安い金額で宣伝をしてもらえるという、なんだかお金優先のようになってしまっています。優れた情報なら喜んで発信してくれる、だから内容が大事という時代ではなくなってきています。
まだ内容重視の時代に各テレビ局(全国キー局)と関わってきた私たちとしては、懐かしんでいるのではなくて、本来の意味のタイアップができる別の世界に歩んでいます。その世界というのは、地域での次世代のためのタイアップです。地域には優れた資産と呼べる施設や環境、人などが揃っているのに、それらが結びつけられていないために、せっかくのタイアップのネタが“腐った鯛”になりかねないことも多く目にしています。
これまでは自分たちが作り上げてきた人脈は、政府が言うところの「自助・共助・公助」でいうと自助でした。これを地域の共通の目的を見据えている人の人脈にする共助にして、タイアップを進めるだけ進めて、最終的には地域のタイアップにしていくこと、ポストコロナの時代は、この考えが活かされる状況になってほしいとの願いで行動しています。