身から出たサービスを続けていると、自分にとって錆(さび)になってしまうということを、講習の場で話すことがあります。これは目の前に受講者がいる対面型の座学のときのことで、ネットを活用したオンライン講習で「身から出たサービス」と話しても反応がないということも経験しています。
座学講習でもオンライン講習でも中身が同じなら、結果的に同じではないか、という考え方もあります。オンラインといっても個々がパソコン画面を通して受講するものだけでなく、目の前に講師がいないだけでパブリックビューイング式の受講もあります。大教室で座学によって受講しているのもパブリックビューイング式も変わりがないという感覚もあるでしょうが、話している側の気持ちが講習に現れることはよくある話です。オリンピックの無観客は、少なからず選手のパフォーマンスに影響を与えていたはずです。
しかし、今後のコロナ禍の継続、次々と登場するであろう感染症を考えると、オンライン講習の流れは続いていくはずです。となると、オンライン講習では“講師の熱量が伝わらない”などと言っている場合ではなく、しっかりと伝えるようなサービスを組み込むことを考えるべきです。日本メディカルダイエット支援機構の講習は、手間のかかるサービスばかりしているので、それこそ錆にもなりかねない「身から出たサービス」になっています。
健康分野の講習では、参加者の状態を知っておくことで講習の内容が変化することがあり、私たちの例では食生活チェック表を使って食事の内容と体調を確認しています。参加者はチェックをしたことで気になることがあると、聞く耳(姿勢)が違ってきます。
講習テキストは、まるで講師から話を聞いているような感じの“ですます調”の文章にしてあり、読めばわかるという内容にしてあります。積極的に質問を受けて疑問点をクリアしてから前に進めるように短い周期でQ&Aを入れています。「質問がないから理解されている」と口にする講師もいるのですが、質問をしても答えてくれないと感じさせてしまったら、質問されなくなります。
健康に関わる情報は日進月歩で、前に伝えた情報が古くなり、へたをすると間違った情報にもなりかねません。そこで、できるだけ短い周期(場合によっては1週間ごと)で最新情報を発信しています。受講後の更新するための勉強の機会も提供しています。
本体の講習の内容だけで評価されるのが本来の姿かもしれませんが、私たちは総合的なサービスがあってこその講習と考えています。受講した内容は今後どんどんと変化していくことを理解するための入口のようなものとの考えもあります。
こんなことは大変だというのではなく、そもそも教育はサービス業であるはずで、だからこそ私たちは「身から出たサービス」を徹底させようとしているのです。