ポストコロナ「逃げるが価値」4

コロナ禍で、時間的にも経済的にも厳しくなった影響を健康づくりの教育と情報発信の活動も受けています。今、学ばなければ生きていけない、暮らしていけないというものではないものであると認識されやすいこともあって、多くの団体が苦戦しています。私たちの講習も生理学研究に基づいてメディカルダイエット、生活習慣病対策、発達障害児の支援と、さまざまな教育と情報発信を行ってきました。
手を広げすぎではないかと言われることもある中で、一つだけ研究成果を講習として実施してこなかった分野があります。それは高齢者の認知機能の維持法についてですが、その基礎となる日本人の体質、生活習慣病、未病、長寿科学、運動科学、栄養学などは研究済みです。脳科学については、発達障害の支援をする中で研究し続けてきました。それを組み合わせて研究対象としたのは「脳の健康寿命延伸」です。
超高齢社会は、ただ長生きになったというだけでなく、健康度も高まり、健康寿命も延びてきました。しかし、脳の機能だけは年齢につれて低下していくので、これを抑えるのが本当の意味での健康寿命の延伸につなげることになると考えています。
認知機能を低下させないための方法は、各団体の活動の中で積み上げられてきています。それは健康づくりに直接的に関わる分野だけではありません。栄養、運動(有酸素運動)、ウォーキング、体操、スポーツ、ダンス・踊り、呼吸、ストレス管理、腸内環境、音楽、笑い、免疫、入浴、睡眠、噛む、習い事(茶道、華道、手作り)、野草・薬草、サプリメント・健康食品、禁煙、禁酒・適酒、ツボ療法、温熱療法などなど、これまで付き合ってきた団体だけでも順不同で、こんなにもあります。
これらの団体のノウハウの一部を提供してもらい、学ばせてもらい、これに私たちの研究成果を組み合わせて、「脳の健康寿命」をテーマにした地域活動と講習を実施するために、新たな資格認定と、その実施団体を立ち上げることが必要と考えます。その健康に基づいた講習こそが、認知症になるような生活から逃げるようにすることが重要だということを示すために、「逃げるが価値」という言葉を使っています。