コロナ禍からマスクを着用するのが当たり前になり、数々あるアンケート調査の中には感染が終息したとしても着用を続けるという人も増えています。新たな感染症が3〜6年前ごとに発生すると研究者の中で言われていることから、そんな考えをするのは当然のことで、今後もマスクを着用する習慣を続けてもらえればと思っています。
これは自分自身のためであり、日本メディカルダイエット支援機構のメンバーと対面して話をする人、講習や講演に参加してくれる人のためだとも思っています。これは感染症のことだけを指しているのでなく、心地よい状態で話をするためのことでもあります。それは、目の前にいる人の口元に注目しなくてよいことです。
話している人の言葉が唇の動きが一致していないというと、腹話術師のいっこく堂とは逆の状態になります。いっこく堂は先に口が動いてから声が遅れて聞こえるという芸です。実際に起こっているのは、これとは逆のことで、音が先に脳に届き、目で見えるのは、その0.5秒差となっています。脳の聴覚野は耳の近くにあり、視覚野は後頭葉にあるので眼球からの距離が長くなっています。本来ならズレている視覚と聴覚が一致するのは、脳の調整機能によるものです。
そのズレをズレのまま感じるという脳機能の特徴に悩まされている人は少なくないのですが、そのうちの1人に私(日本メディカルダイエット支援機構理事長)も含まれています。
わずかな時間なら耐えられても、ずっとズレが生じた状態では他人の顔を見ながら話を聞くのがつらくなります。その困難さは、通常では見えないものだけに、なかなか理解してもらえないのですが、それでも会話ができるようにできるだけ口元を見ないようにしてきました。
それがコロナ禍でマスク着用が義務化されて、口元を見ないで済むようになって、楽に話せるようになり、安心して安定した状態で話せることから、聞いている人も楽しく、心地よく聞いてもらえるようになりました。
これが私たちにとっての「頭隠さず七難隠す」という状態になっています。