ダイエットとサプリメントといえば関連性を簡単に想像できるかと思います。太る要因となる糖質も脂質も、分解を阻害する成分、吸収を阻害する成分があり、それが使われたサプリメント(健康食品)を使えば摂取エネルギー量を減らすことができます。しかし、メディカルダイエットでは吸収阻害について研究するものの、生理的な問題がなければ、吸収を阻害するのはもってのほかという考え方をしています。
糖質も脂質も重要なエネルギー源で、これを細胞内のミトコンドリアでエネルギー代謝させることによって身体や脳を正常に働かせるためのエネルギーを作り出しています。せっかくのエネルギー源だけに、できるだけ吸収させて、多くのエネルギーを作り出すことが重要だとの考えです。そのエネルギー代謝のための成分が不足している人に対して、それを補うのがサプリメントです。サプリメント(supplement)は、もともとは補助、補充、補完といった意味で、食事で不足しているものを補うのがサプリメントの役割です。
エネルギー代謝に必要な成分は、糖質、脂質をエネルギー代謝の初めの物質のアセチルCoAに変化させるのに必要な水溶性ビタミン、ミトコンドリアの中でエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を作り出すTCA(トリカルボン酸:tricarboxylic acid)回路に必要な4種類のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)です。
糖質と脂質が細胞に取り込まれれば、機械的にエネルギー代謝が進むわけではなくて、代謝促進成分としてα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10が必要です。α‐リポ酸はブドウ糖をミトコンドリアに通過させ、L‐カルニチンは脂肪酸を通過させます。TCA回路で働く酵素を補う補酵素がコエンザイムQ10です。3種類の代謝促進成分は、どれも体内で合成されていますが、20歳をピークに減少していきます。以前は医薬品成分だったのですが、2001年から2004年にかけて食品成分としても使用することが許可されました。
メディカルダイエットは、運動と食事、運動と休養、食事と休養の組み合わせによってエネルギー代謝を効果的に進めるための手法で、それを補うために代謝促進のサプリメントを研究して活用しているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)