日本人は冷え性が多い国民と言われていて、その理由として血液温度が低いことがあげられています。手足が冷えるのは、血流がよくないために温かな血液が巡ってくるまでに時間がかかり、放熱に対して熱の補充が間に合わないからだ、と説明されることがあります。
血流の低下は、確かに冷えの原因ではあるものの、日本人の場合には他の大きな要因があります。それはタイトルにあるように血液温度の違いで、日本人は欧米人などに比べると1℃ほど低くなっています。
日本人の血液温度は37〜38℃で、この温度の血液が送られてくることで平熱の36〜37℃が保たれています。欧米人や北方アジア人などの血液温度は38〜39℃となっています。わずか1℃ほどの差ですが、これが健康度に大きな影響を与えているのです。
健康に関して最も大きな影響を与えているのは血管の状態です。血管の老化を進めるものとして中性脂肪やコレステロールが知られていますが、中でも動物性の脂肪である飽和脂肪酸は血液中で固まりやすくなっています。動物の血液温度をみると、羊は約44℃、鶏は約42℃、牛と豚は約40℃となっていて、この温度で溶けている脂肪は、それよりも低い温度の血液の中では固まりやすくなります。
日本人は血液温度が低いので、より固まりやすく、その結果として動脈硬化になりやすい体質となっています。血液温度に影響を与えているのは全身の細胞で作り出されているエネルギーで、発生したエネルギーの半分ほどは熱となって、体温の保持に使われています。
多くのエネルギーを発生させるのは脂肪で、肉類に多く含まれている脂肪は重要な熱源でもあり、血液温度を高めるために重要なものです。
日本人の肉食の摂取量は1947年(昭和22年)当時と比べると今では6倍にもなっています。血液温度を高めるためにはエネルギー量が高い脂肪を摂ることがすすめられることもあるのですが、脂肪の摂取は動脈硬化を増やすことになるという悩ましいことなのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕