ラーメンの罪悪感はチャーシューで消えるのか

「ラーメンを食べるならチャーシュー麺にしよう」というダイエット情報を流し、ダイエット希望者に、そう指導している会社があります。このことを初めて聞いたとき、“ダイエットを本気で考えるならラーメンをやめるように言うべきでは”と思ったものですが、今では“これは正解かもしれない”と思うようにもなっています。
まずは、ラーメンはダイエット向きではないのかという話です。「チャーシューとスープの油が高エネルギー量で太りやすい」と言う人がいますが、ラーメンでエネルギー量の多くを占めているのは麺です。普通サイズ(並み)でも1玉は約300kcalあります。これはラーメンに限ったことではなく、そばでもうどんでも同じです。ご飯は茶碗1杯で約200kcal、食パンは一斤が約1000kcalなので5枚切り1枚が約200kcalとなります。1食分で比較すると麺類は1.5倍のエネルギー量があるわけです。
チャーシュー1枚が添えられたラーメンは、スープ込みで500kcalほどになります。チャーシュー1枚は小さめで15kcal、5枚が添えられたチャーシュー4枚追加で60kcalの追加、大きめのチャーシューが4枚だと90kcalのプラスになります。煮卵を追加するとプラス100kcalで690kcalになります。背脂が入ると濃厚になりますが、脂肪は1g当たり9kcalで、10gほどが使われているのでプラス90kcalにもなります。合計すると780kcalにもなるのに「チャーシュー麺がよいと言われても」と思うのは当たり前の感覚です。
そうであっても正解かもしれない、と考えるのは、糖質を燃焼させるために必要なビタミンB₁が豚肉に含まれていて、チャーシュー5枚なら1.4mgとなります。ビタミンB₁の摂取推奨量が1日1.4mgなので、必要量を補うことができて、糖質の燃焼が効果的に進むようになるからです。ビタミンB₁は水溶性で、多くの量を摂っても排出されるので、チャーシュー5枚分で充分という主張をすることになります。
ラーメンは食べるタイミングが大切で、一番食べたくなるのは飲酒後かもしれません。飲酒の最後にシメとして糖質のご飯などを食べて満腹になっていても、帰宅途中にラーメン屋があると、また食べたくなってしまいます。これは飲酒によって肝臓がアルコールの分解を優先させることからブドウ糖放出が一時的に低下して、血糖値が下がり、“食べているのに空腹”という感覚が起こってきます。実際には充分すぎるほど糖質を補給しているのに、さらに補給したくなってくるわけです。
ここでラーメンを食べてしまったら、ラーメンの分と飲酒のときに食べた糖質、シメの食事が合わさって糖質を摂りすぎになっているのでチャーシューのビタミンB₁では足りません。ビタミンB₁をサプリメントで大量に摂って、さらに翌日から食事量を減らす、運動量を増やすということになるので、ここはラーメンを我慢するのが大切ということを知ってほしいのです。