日本人の平均寿命は今から74年前の昭和22年には男性が50.06歳、女性が53.96歳であったのが、令和2年には男性が81.64歳(世界2位)、女性が87.74歳(世界1位)となり、男性は31.58年、女性は33.78年も延びました。女性の出産年齢は年々遅くなる傾向があり、今では第一子出産年齢は30歳を超えています(2016年に30.7歳)。
日本人の平均寿命の延びは、ちょうど一世代分の年齢であり、高齢者が孫世代に情報を伝えることができる期間は2倍にも延びています。この延びた期間を次世代に充てることができる人的条件は全国的に整えられているということです。
これを担っていただきたい前期高齢者(65〜74歳)は約1739万人(男性831万人、女性908万人)で、計算上は約5億2000万年にもなります。このうちの一部でも次世代の支援に傾けてもらえるようにしたいというのが私たちの願いです。
日本老年学会と日本老年医学会は平成29年に、高齢者の年齢を10年引き上げることを提言しました。現状の前期高齢者(65〜74歳)を準高齢者、75〜89歳を高齢者、90歳以上を超高齢者と区分して、準高齢者は介護社会では支えられる側ではなく、支える側となることが期待されています。
この提言の裏付けとなったのは、高齢者の心身の健康に関する各種データを検討した結果、現在の高齢者は10〜20年前と比較して加齢に伴う身体的機能変化の出現が5〜10年遅延しており、若返り現象が認められたことです。これを受けて、前期高齢者(準高齢者)の活躍の場を作ることが、健康に関する人脈とコンテンツがあり、情報発信に取り組んできた私たちの役割だと認識しています。
前期高齢者の年齢になってみて、今から10年も前の体力と気力があるのなら、その“得をした分”を後期高齢者になるまで次世代のために役立てたいという充実した気持ちがあるのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)