不妊治療は日本が世界のトップを走っています。お隣の中国から不妊治療の専門医の派遣の話が多く寄せられているようで、私たちのところにまで問い合わせが来ています。専門医にも健康情報メールを発信していることもあって、聞いてみたところ、中国の不妊治療は日本ほど効果が上がらないという話をしていました。
これについてはメディアとも話をしていたところですが、中国は一人っ子政策で4億人の人口削減が行われました。そして、解禁された昨年から毎年200万人は新生児が誕生するのではないかと見られていましたが、半分ほどしか増えていないといいます。
子供がほしくてもできない人たちが日本の技術を頼りにしているというわけですが、なぜ中国で不妊治療が難しいのかというと、女性の糖尿病があげられます。糖尿病は膵臓からのインスリンの分泌が少ないタイプと、インスリンは分泌をされているのに細胞がインスリンを効果的に使えないタイプがあります。日本人は前者が比較的多く、肉食が増えてきた今では後者も増えてきています。
なぜ肉食が関係しているのかというと、インスリンには細胞にブドウ糖を取り込む働きと、肝臓で脂肪の合成を進めて脂肪細胞に取り込まれる脂肪を増やす働きがあります。日本人は歴史的に肉食が少なく、脂肪を多くは摂ってこなかったので、もともとインスリンの分泌が低くなっています。それに対して中国人の90%ほどは北方系の漢民族で、歴史的に肉食をしてきたので脂肪を蓄えられるようにインスリンの分泌がよくなっています。それなのに糖尿病になるということは、インスリンを効果的に使えないほうのタイプだからです。
うまくインスリンが使えないために血糖値が上昇すると、血糖値を下げようとして膵臓から多くのインスリンが分泌して血液中で濃い状態となります。この高インスリン血症になると、排卵が起こりにくくなります。だから、血糖値を下げるための食事制限か有酸素運動を行わないと不妊治療がうまくいかないということです。それを行わずに、高額の治療を受けている方が中国には多いと聞いています。