コエンザイムQ10の研究が進んでも、1%だった吸収率の改善がみられなかった時期は長かったのですが、コエンザイムQ10を届ける“カプセル”の開発で状況は大きく変わりました。そのカプセルは、ソフトカプセルかハードカプセルかということではありません。初期のコエンザイムQ10の製品ではハードカプセルに入ったものがあり、ハードカプセルが胃液で溶けなかったために、その中に入っていたコエンザイムQ10が吸収されなかったという“吸収率0%”問題なることも起こりました。今では溶けやすいソフトカプセルだけが使われています。
こういったカプセルの話ではなく、“世界一小さなカプセル”の話です。それはブドウ糖が8個つながって輪になったシクロデキストリンで、環状オリゴ糖とも呼ばれています。内部は親油性、外部は親水性の性質になっていて、輪の内側には脂溶性の性質のコエンザイムQ10が入ります。コエンザイムQ10は極小サイズですが、シクロデキストリンの内径は1nm(ナノメートル)となっていて、1nmの小さな成分となった状態で届けることができます。1nmは10万分の1mで、遺伝子のDNAのサイズとなっています。
通常のコエンザイムQ10は腸壁から入りにくいのですが、シクロデキストリンは腸壁に密着してコエンザイムQ10を腸壁から、しっかりと届けてくれますが、それでも全部ではなく最高で18%となっています。しかし、1%に比べれば相当の量になっています。これだけの量なら、私たちが期待してきた代謝の促進も可能となっています。
サプリメントの機能性が確かめられていても、実際の有効性としては現れなかった理由には、こんなこともあったのです。
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