◎適切なエネルギーの摂取
血糖値はブドウ糖の増加によって高まっていくため、食事の改善ではブドウ糖が含まれた糖質を減らせばよいように感じるかもしれません。しかし、血糖値を下げるには糖質を減らすだけでなく、適正なエネルギー量を確保するとともに、三大エネルギー源のバランス(エネルギー比率)が基本となります。
血糖値を下げるためには、代謝を高めることが大切であり、体を正常に働かせるためにエネルギーとなりやすい糖質が必要となります。三大エネルギー源をバランスよく摂るには、糖質が50~60%、脂質が20~30%、たんぱく質が15~20%の割合となるようにします。
1日に必要な摂取エネルギー量は体重、活動量、血糖値、肥満度、年齢、性別、合併症の有無などによって異なりますが、一般には健常者よりも10~20%減らした腹八分目の量が目安とされます。また、体重1kgあたり30kcalを目安にする方法もあり、体重が50kgなら1500kcal(30kcal×50kg)となります。
◎良質なたんぱく質の摂取
糖尿病の合併症を予防するためには、血管を傷めないようにすると同時に、傷んだ血管の修復を進めるために、良質なたんぱく質が必要となります。良質なたんぱく質とアミノ酸のバランスがよく、必要な量が摂取できるもので、これに該当する食品として肉、魚、卵、牛乳、大豆・大豆製品(納豆、豆腐)があげられます。たんぱく質の量は標準体重1kgあたり1.0~1.2gとすることが推奨されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕