日本人は肥満遺伝子の割合が高くて、日本人の35%が該当する脱共役たんぱく質1遺伝子タイプは、一般に“洋ナシ型肥満”と呼ばれる下半身から太っていくタイプです。これは脂肪の代謝が低いために余分な脂肪が体脂肪として蓄積されやすいからで、下半身に皮下脂肪が蓄積されやすくなっています。
腹部よりも下半身に脂肪がつきやすいということのほかにも、皮下脂肪が厚い、二の腕がたるみやすい、女性の場合は母親と同じ体型になりやすいという特徴もあります。
1日の基礎代謝量は通常よりも100kcalほど低くなっています。体脂肪の1kgあたりのエネルギー量は約7200kcalなので、食事量と活動量が同じであったとしたら72日で1kgずつ太っていくことになります。現状を維持するとしたら、食事で100kcal(ご飯なら茶碗で半分ほど)を減らさないといけない計算となります。
食事面では脂質の多い食事を好み、味が濃い料理を好む傾向があります。食事量を減らすと体温が下がり、内臓脂肪が減りにくく、そのため皮下脂肪も減りにくくなるという特徴があります。
脂肪の摂取量を減らすとともに、脂肪を代謝させるために必要なビタミン類が豊富な野菜、海藻などを摂ることが大切になります。野菜と海藻には脂肪の吸収を抑える食物繊維(不溶性・水溶性)が多く含まれているので、これも多めに摂るようにします。水溶性食物繊維には、胃の中で水分を吸収して膨らみ、満腹感を早く感じるようにして脂肪の摂取量を減らす効果があります。
次に運動についてですが、皮下脂肪は運動をしても減りにくい特徴があります。しかし、運動の効果はあって、内臓脂肪が減ったあとに皮下脂肪が減っていくため、運動の効果が出るまでに期間がかかります。
有酸素運動には内臓脂肪を徐々に減らしていく効果があります。継続して歩く時間を取ることができない場合には、10分間のウォーキングを1日に3回以上する機会を設けるようにします。
運動前にカフェインが多く含まれるコーヒー、緑茶などを飲むと、脂肪細胞から中性脂肪が分解されて脂肪酸が血液中に放出されやすく、代謝が促進されます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕