体質との調和4 検査数値と体質の関係性

健康診断や検診によって正常値を超えた場合には、生活習慣病などのリスクが高いとして生活改善や医療機関での受診などが求められます。検査数値は健康リスクの大きな目安ではあるものの、正常値を超えたら誰もが同じように危険があるということではありません。体質によって同じ状態であっても、リスクが高い人もいれば、大きな影響を与えないという人もいます。

高血圧を例にすると、血圧は心臓から送り出された血液が動脈に与える圧力のことで、この圧力が高くなりすぎた状態が高血圧です。血圧は活動の状態(運動や激しく動いたときなど)や自律神経のバランス(交感神経と副交感神経の作用)などによって一時的に正常値を超えるのは当たり前にあることです。

本来なら高血圧にならない状態のときにも血圧が高い状態になり、それが続くと治療の対象となる高血圧症となります。高血圧症は、ずっと動脈に圧力がかかり続けることで、動脈の新陳代謝を低下させたり、動脈の老化が進んでいく状態です。

血圧は血管の弾力性の差によって、同じ圧力がかかっていても血圧計による測定値に違いが起こります。血圧が上昇する原因は10種類以上あり、その中には体質が関係する項目もあります。どのような体質であるかによって、同じリスクであっても血圧の上昇が大きく違ってきます。

食塩感受性が高い人は血圧が高まりやすく、その体質にある人は日本人の場合は30%ほどと考えられています。それ以外の人は塩分を多く摂っても血圧に影響を与えないのですが、以前は塩分には無関係であった人でも年齢を重ねていくと感受性が高い状態になることもあります。

体質は変化しないものという考えがあるかもしれませんが、加齢や生活環境によって変化することもあるので、これまでは大丈夫だったという診断結果も、今も同じように大丈夫なのかというのはわからないということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕