「便秘は活性酸素を増やす」ということを紹介したところ、詳しく教えろ、という反応がありました。「便秘になる→悪玉菌が増える→毒素が増える→毒素が大腸壁から吸収される→毒素が血液中に入る→肝臓に運ばれる→肝臓で分解されるときに活性酸素が発生する」といった流れになり、便通が悪くなると活性酸素を増やすことになります。
質問に対しての返答は、これで終わりになるのですが、取って返す刀の勢いで、次のような返答をしています。
活性酸素は、血液中の中性脂肪を酸化させて、血流を低下させることが知られています。また、活性酸素は悪玉コレステロールと呼ばれるLDL(低比重リポたんぱく)を酸化させます。LDLは体内にあるものなので、免疫細胞が攻撃するようなことはありません。ところが、酸化すると酸化LDLとなって異物となるために、免疫細胞のマクロファージが取り込んで処理をする貪食が起こります。これが続くと、マクロファージは活動を停止して、血管壁の中に入り込みます。これが動脈硬化の始まりで、血管は狭く、硬くなっていって血流が低下することになります。
血流が低下すると、肝臓に送られる毒素が停滞するようになって、濃い状態になった毒素が肝臓で処理されるようになり、そのために活性酸素の発生量が増えるという説明をさせてもらっています。させてもらっている、というのは実際には複雑な仕組みがあるということですが、身体を老化させる要因とされる活性酸素を増やさないように、便通をよくしようという気持ちになるというわけです。
便通をよくするために摂取がすすめられる食物繊維ですが、不溶性食物繊維には便を硬くする作用があるので、それと同時に便を軟らかくする作用がある水溶性食物繊維を摂るようにします。実際には水溶性食物繊維が多く含まれて、さらに不溶性食物繊維も含まれるものを食べればよいわけで、それに適したものとして紹介しているのはフルーツです。フルーツは強い日差しを浴びて育っているので、紫外線によって発生する活性酸素を消去する抗酸化成分が多く含まれています。中でも抗酸化成分が多いのは、「濃い色素が含まれているブドウです」という話をフルーツ王国では強調させてもらっています。