コロナ禍で救急車が呼んでも来ない、来ても受け入れの病院が見つからないということがありましたが、これは救急車の料金が関係しています。公的な救急車は無料ですが、今では民間の救急車も増えてきて、実は多くの費用がかかっていることを知るきっかけとなりました。民間救急車はタクシーと同様の料金制度で、初乗り料金と、距離または時間によって加算される料金があります。
地域によって金額は異なっていて、初乗り料金(1時間以内、15km以内)は5800〜6300円となっています。なかなか受け入れてくれる病院が見つからないために時間がかかった、受け入れてくれる病院が遠いという場合には、2万円を超える金額になってしまいます。
このことを異常事態のように感じるかもしれませんが、アメリカと比較すると驚いている場合ではないという状況です。というのはアメリカでは救急車は3種類あって、それぞれ特性があるからです。
日本の救急車と同じような仕組みの自治体の救急車は、災害時などに出動するもので、それ以外のときに出動することはありません。そこで病気や怪我などで救急車を呼ばなければならなくなったときには、2つの選択肢があります。1つは病院が所有する救急車を呼ぶことで、連れて行ってくれるのは所属している病院だけで、行き先は指定できません。大抵は高額な医療費がかかる病院で、こちらを選択できる人は少数です。
行き先を指定できるのは民間の救急車ですが、料金が200ドル(約2万8000円)ほどと高く、重症患者が優先されるので、それ以外の人は自分や家族が自動車を運転するかタクシーを利用して病院に行くことを選択します。
コロナ禍の前の日本のように、救急車をタクシー代わりに呼ぶということはありえないことです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)