オーディオは、すべての装置のレベルが高く保たれていなければ最高の音質を確保することはできません。どんなにアンプやスピーカーが高品質でも、初めの読み取り装置の質が高くなければ、最初の精度が保たれていなければ、最も低いところのレベルとなってしまいます。今のCDのデータの読み取りはレーザーの反射光を受け取る形であるので、それほどの差はなく、劣化も起こりにくくなっています。大事なことは読み取り装置の表面の汚れを取ることになっています。
CDの前の時代のレコードでは、読み取り装置といえばレコード針で、その精度は重要で、使うほど劣化しやすいことから、取り替えのタイミングは重要でした。クラシック音楽界の取材を長らくしてきたことから、レコード針の職人とも付き合ってきました。最高峰のレコード針を開発しようと閉じこもって仕事をして、とうとう完成させたときには時代が変わってCDの時代になっていたということがありました。
そのようなことがないように、という例として使われることが多い話ですが、今やCDの読み取り装置の精度も音楽配信の時代になると関係なくなってきています。時代の変化に右往左往させられることがないようにと、音楽の世界にいても新たな成長分野を目指す人が増えました。コロナ禍の影響を受けて、リアルな音楽表現の世界が手痛い被害を受けている中にあって、音楽配信の世界に移ってよかったという人にも多く会いました。
健康面でもクラシック音楽は注目されていて、モーツァルトの楽曲は3500〜4500Hz(ヘルツ)の高周波音で、脊髄から脳にかけての神経系を効果的に刺激することから、高血圧や糖尿病などの改善が難しい疾患への音楽療法にも活用されています。この世界にいち早く移った人からも、よい結果を聞いています。クラシック音楽であればリラックスできる、健康面でよいことがあると単純に考えるのではなくて、裏付けをもって導いていく案内人も必要になると考えています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)