これまでと同じことを続けるのは安心であり、楽なことでもあります。今日と同じことが明日も続くというのは、ほとんどの人が大前提としていることで、就寝して朝に目覚めたら社会体制が違っていた、国境を超えて隣国が攻めてきた、通信が通じなくなっていた、電気が点かなくなっていた、寝る前には家の前にあった橋も道もなくなっていた、仕事場がなくなっていた、ということは誰もが(中にはいるかもしれませんが)想像もしていないことでしょう。
戦争や風水害の被害でもなければ、ここまで急激な変化は起こらないとしても、将来的に社会に影響を与えることは徐々に起こっていて、新型コロナウイルス感染症の蔓延で、戦争の被害者になったのと変わらないくらいの禍(わざわい)を体験した人も少なくありません。新たな感染症については以前から警鐘が鳴らされていたからです。
ここまでの社会的な影響が、こんなにも続いて、いつまで続くかわからないという状況は想像がつかなかったとしても、これまでの衛生や医療の体制では対応できないくらいの感染症の発生は前から指摘されていました。このことは、医学系の学会の御大と付き合ってきた中で、多くの方から何回も聞いていたことです。
それは感染症の強さの問題というよりも、医療体制、社会体制(時の政権の対応)のほうの問題で、これまでだって横から突いたら倒れてしまうような医療体制であったということです。新型コロナウイルス感染症のせいではなくて、こんなにも国民に大きな影響を与えたのは、社会体制のほうだった、それに甘んじて医療体制を整えてこなかった側の責任なんだということは、このような状況になって初めて気がつくことで、変化が現れている段階では気づけなかった人が大多数だったということです。
健康あない人が案内すべきことは、このようなことになってからではなくて、なる前に行動すべきであったし、医療や社会体制の対応を急ぐだけではなくて、心身の健康あない人となって、どう考えればよいのか、何を準備しておけばよいのか、そのために何をすればよいのか(心身の健康法も含めて)、ここが問われていると強く認識しています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)