「笹の葉さらさら」は七夕の歌の歌い出しで、歌の正式名称は「たなばたさま」といいます。夏の夜風に笹の葉が揺れる様子を「さらさら」と表現したわけですが、今どきは「サラサラ」とカタカナで書いて、その前に「血液」という言葉がつきます。「血液サラサラ」は、血液の流れがよい状態を指していて、血液ドロドロに対比して使われています。
今回のテーマの「お茶の葉サラサラ」は、お茶を飲むことで血液サラサラをイメージさせているものの、深いところの意味は「お茶を飲めばサラサラになる」ということではなくて、「お茶の葉」と言っているところがポイントです。なにも笹の葉に合わせてお茶の葉としたわけではなくて、お茶の葉は使い方によってサラサラにもなれば、違った結果にもなるということを匂わせています。
お茶の葉にはカテキンという抗酸化作用があるポリフェノールが含まれています。日常的な飲食物の中に含まれている抗酸化成分としては最強とされていて、わざわざ健康食品を使わなくても、活性酸素を消去させることが期待できると人気になっています。
それは間違いがないのですが、いつ飲むかで効果が違ってきます。乾燥したままの茶葉は変化が起こらないのですが、お湯を注いだ瞬間からカテキンの酸化が始まります。抗酸化力が強い成分は、実は酸化しやすい性質があります。体内で酸化することで、身体の活性酸素を消去することができます。
酸化しやすいので、お湯を注いだ後には茶葉は酸化しています。だから、正しいお茶の飲み方は、お湯を注いだ後には捨てることであって、少なくとも時間が経過してから、またお湯を注いで飲むようなことをしてはいけません。
時間が経過して、酸化が進んだ茶葉からお茶を飲むことは、酸化したものを飲んでいることになります。これでは活性酸素を消去しているのではなくて、活性酸素を飲んでいるようなことにもなりかねません。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)