健康あない人48 国産と国内製造の違い

輸入される農産物には、防カビ剤として農薬が使われていることがあります。主に防カビ剤が使われるのは小麦や大豆、柑橘類、いちごなどの果物で、赤道を超えて日本に運ばれてくる食品には温度と湿度のためにカビが生えやすいことから、防カビ処理をしてから輸出されます。

防カビ剤は残留農薬として内部に残りやすいことから、輸入された食品ではなくて、国内で作られた農産物のほうが安心と一般に認識されています。

そのために、国産の食品が使われたものを選ぼうとする人が多いわけですが、国内で作られたものを選んでいるつもりで「国内製造」と表示されているものを選んでいる人も少なからずいます。

国内製造というのは、日本で製造されているということで、食品が日本で作られたものとは限りません。海外で作られた農産物を日本で加工した場合も「国内製造」となります。

となると、国内製造と書かれていたら日本で栽培された農産物なのかわからないということになりそうですが、日本で栽培されていたら、わざわざ「国内製造」と表示する必要はありません。つまり、「国内製造」という表示は、「国産」の農産物から作られたものではないということです。

どうして国産でないものが「国内製造」になるのかというと、小麦を輸入して、これを小麦粉にして、それを材料にして作ったからです。

ワインの場合は、もう少し複雑で、国産ワインは海外から輸入されたワインを混ぜて作ったもので、そうではない国産のブドウから作ったワインだけの場合は「日本ワイン」と表示されています。これは国内のブドウだけで、国内で作ったという意味で、混ぜ物をしていないという自信をもっての表示です。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)