1日に摂取すべき飲料の量は1ℓとされていますが、これは通常の場合の平均的な量です。風邪をひいたときには、尿の量が多くなることを多くの人が体験していることと思いますが、発熱したり、身体を激しく動かしたりすると細胞の中で作り出される代謝水が多くなり、排泄される水分も多くなります。身体に炎症を起こしていたり、臓器が傷んでいるときにも細胞の再生が盛んになって、代謝水が多くなります。
排泄された分だけ飲料を多く摂らなければ体内の水分バランスが取れなくなるわけですが、全身の水分量のうち1%減っただけで喉が渇きを感じるようになり、2%が減るとひどく喉が渇くようになります。それほど水分の不足は身体に影響を与え、それを補うために身体が水分を欲するようになるのです。体調がすぐれないときには、1日に1.5ℓの水分を飲むようにするといわれています。
糖分を摂りすぎて血液中のブドウ糖が多くなりすぎると血液がベトベトした状態になって、赤血球がくっついて、毛細血管を通過しにくくなります。そのために必要な酸素や栄養素が全身の細胞に運ばれないようなことにもなってしまいます。脳血管や心臓に不安がある人の場合には、血液がベトベトになりやすいだけに、寝る前や朝だけでなく、1日を通じて、さらに多くの水分を摂ることが求められます。
喉が渇きやすい病気といえば糖尿病があげられます。糖尿病では、喉が渇くとともに、排尿量が多くなります。どちらが先なのかというと、糖尿病の場合には血液中で濃くなったブドウ糖を排泄するために尿の量が自然と多くなります。糖尿病になると排尿したときに泡立ちが多くなります。尿が泡立つのは尿中に含まれるブドウ糖によるものですが、糖尿病になると尿中にブドウ糖が多く含まれるようになり、排尿時の泡立ちが多くなっていくのです。
糖尿病でなくても、糖質の摂りすぎによって血液中のブドウ糖が多くなりすぎると、余分なブドウ糖が尿とともに排泄されるので、泡立ちが多くなることもあります。血液中の余分なブドウ糖を排泄するために尿の量が多くなります。排尿量が多くなると、体内で失われた水分を補うために喉の渇きを感じます。この身体の求めに応じて、多くの水分を飲むことは、体内の水分バランスを保つとともに、余分なブドウ糖を排泄するためにも必要なことです。その量としては、1日に2ℓの水分が適当だとされています。