健康アナリスト1 健康の分析者の存在

アナリスト(analyst)というと、メディアなどで見聞きするのは経済アナリスト、証券アナリストという用語が多いことから、動向を調査・分析して顧客に役立つ情報を提供する専門家という認識を一般にはされています。

この世界に限らず、社会情勢全体を分析したり、スポーツ競技で互いのチーム分析をして作戦や戦術を指導する専門家、他には精神分析医を指す場合もあります。大きく言うと、利益を与えるべき人に対して有益な情報を提供する専門家であり、よりよい結果をもたらすために働く人と言うことができます。

このほかにもアナリストは存在していて、今ではあまりに有名なIT業界の雄(親戚関係にして上場企業の代表)が展示会を回るときに会社名ではなく、個人としての名刺を作ろうということになり、その名称として「電子通信アナリスト」とのアイデアを出しました。

そのときに、一緒に展示会を回る私の名刺も作られていて、そこには「健康アナリスト」と書かれていました。その当時、私は複数の団体の代表や役員を務めていて、分野も広く、一言で表現するのが難しいところがありましたが、確かに「健康アナリスト」で一括りにできた感があります。

ただ、電子通信つまりインターネット業界のアナリストに比べると、健康アナリストというのはわかりにくくて、どんなことをしているのかと聞かれて、説明するために名刺入れに入っていた8種類の名刺を渡すことになり、それで理解してもらえたということがあります。

健康という言葉は定義があり、一般のイメージと大きくは違っていないのですが、具体的に何をしているのかを“健康”という二文字だけで的確に言い表すのは難しいところがあります。

医学も薬学も栄養学も運動科学も健康分野であり、一つの分野だけでも細分化されているというのに、私は医学、薬学、栄養学、運動科学のすべてに関わっていて、さらに理学、工学、法学、情報学も加わってきたので、名刺の数だけ仕事をしている人という感じだったのかもしれません。

その世界の仕事を40年以上も続けてきて、今さら新たな肩書きは必要ないのかもしれませんが、あえて「健康アナリスト」を使うことを考えたのは、今の健康分野の情報が分析なし、分析があったとしても捻じ曲げられて伝えられている、健康情報の受け手の利益とは離れた内容が多過ぎるからです。

そのために不利益を被っている、場合によっては健康被害を受けている、それも気づかないような状況になっている人の存在、健康になりたくて努力をしているのに間違ったこと、無駄なことをしている人が多いことを知っているからです。

「正しい健康情報を正しく伝える」という当たり前のことをするためには、健康アナリストが必要であり、求められていると考えてのスタートです。とはいっても、今はサイト内でのコラムからのスタートです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕