健康アナリスト4 前提となる健康リテラシーの考え方

健康分野のアナリストの基本となっているのは、リテラシーの考え方です。
リテラシー(literacy)は、文字や文章を読んで、内容を理解して文章を書く能力を指す用語で、膨大な情報の中から必要な情報を引き出して活用するという意味も含んでいます。

今のように膨大というレベルを通り越して、情報が洪水のように押し寄せる時代には、情報を確認することも難しいような状態であり、押し寄せる情報の中から大切なこと、自分にとって重要なことを選択するのは容易ではありません。

ましてや、その情報が正しいのかを判断するのは、もっと難しいことになります。情報の重要性は、それぞれの人の専門性や思考・志向・嗜好などによっても違ってきます。同じように目の前を通過していることでも、関心がないことは、まるで見なかった(見えなかった)かのように心に残らずに通過していってしまいます。

自分にとって、あまり関係ないことであったら、見えなくても、見えていても理解できなかったとしても、大きな影響はないのかもしれません。しかし、それが自分の健康にとって影響を与えることであったら、簡単に見逃すことはできなくなります。

その健康の分野のリテラシーは「健康リテラシー」と呼ばれます。健康リテラシーは「健康や医療に関する正しい情報を入手して、理解して活用する能力」を指しています。

この能力が重要で、情報を提供してくれるのが対面(目の前にいる人から)であっても、書籍やインターネット検索であっても、目に飛び込んでくる、そして脳に伸び込んでくる情報を選択して取り入れるにも、入手して活用するまでの行動には、それなりの技量が必要になります。

その技量(能力)は「入手」「理解」「評価」「活用」の4つに分けられています。この4つを健康分野で考えると、「情報が得られる機会への接触」「ヘルスケア(病気や症状がありときの医療や療法の利用など)」「疾病予防(受診や疾病予防行動など)」「ヘルスプロモーション(生活環境の評価、健康のための活動など)」となります。

重要な健康に関する情報も、経験なしには自分のもとに飛び込んできても理解も評価もできず、その結果として活用することもできなくなります。健康リテラシーの第一のポイントは情報をキャッチするための能力の強化です。そして、その能力を高めるための数多くの経験です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕