医療機関の診断や治療は、それぞれの専門知識がある方々が集い、チーム医療として実施されています。医師の指示のもとに検査が行われ、その結果から病名が明らかにされ、医薬品や化学療法などの治療とともに、栄養指導、運動指導、保健指導などが行われます。
生活習慣病は特に栄養指導、運動指導、保健指導が重要であり、指示をする医師は、これらの知識が充分にあると一般には認識されています。そして、医師の指示通りに実施すればよいと考えている人も少なくありません。
しかし、医師養成機関である大学の医学部の授業で、これらのことが充分に教育されているとは限らないという実態があります。
その一つの例が栄養学講座で、医学部がある82大学のうち栄養学講座があるのは25校ほどです。すべてが選択科目であって、必修ではありません。また、学んでいる内容のほとんどは、栄養不足によって起こる疾患についての講習で、多くの患者が期待する積極的な栄養摂取による健康への好影響の知識を得る場ではありません。
すべての医師が栄養学を習得しているわけでなく、医師になってから学ぶことが多いことから個人差が大きいのは仕方がないことです。
このことは医療機関で行われる栄養指導によって保険点数がつくのは管理栄養士だけで、医師は栄養指導をしても保険点数がつかない医療制度であることも関係しています。
生活習慣病は初期の段階では、自覚症状がほとんどなく、健康診断や医療機関の検査によって判明しています。早めに診断されることによって、早めに改善に取り組めば、早く好結果が得られることが生活習慣病の特徴です。
生活習慣病の中でも多い高血圧、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症)は、まずは食事療法と運動療法による改善が進められ、これによって改善されないときに初めて医薬品が使われます。
予備群とされる検査数値が高めの状態では医薬品による治療はできないため、特に食事と運動による改善が重要となります。この段階で改善して健康状態になるためには、的確な指導が求められるところですが、個人の状態に合致した個別の指導が行われていない実態があります。
自分の状態に合わせた的確な改善を行うためには、身体と疾患の知識を得る機会が必要であり、常に変化している健康に関する情報の更新(最新情報を得ること)が大切になってきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕