健康ウォーキング49 元気よく腕を振って歩けば代謝が高まるわけではない

健康のために元気にウォーキングという話をすると、肘を曲げ、大きく上下に動かして、膝も持ち上げるように歩くというスタイルの人が出てきます。その姿勢だと、元気に歩くというイメージと合っているかもしれません。また、テレビコマーシャルで目にするグルコサミンを摂って元気に歩いている姿と合致しているので、その歩き方を目指そうとする人も少なくありません。しかし、そのような歩き方をしていると疲れやすく、長い時間のウォーキングが続けられなくなります。
さらに糖尿病の予防や改善のためにブドウ糖の代謝を高める、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)の予防や改善のために脂肪酸の代謝を高めるという健康ウォーキングの目的とも合わない歩き方になってしまいます。
肘を曲げると腕が早く前後に振れるようになります。それと同時に足の運びも早くなります。それなら早く歩けそうな感じがするかもしれませんが、腕の動きに合わせるように足の左右の運びが早くなると、右足と左足の踏み出しのタイミングが早くなるので、大股で歩くことができなくなります。歩幅の狭いチョコチョコ歩きになってしまいます。
走るときであったら、肘を曲げて早く動かすと、それに合わせて足が大きく前に振られて、早く走ることができるのですが、歩くときには腕の振りが小さいと歩幅も狭くなります。だから、ウォーキングで勢いよく歩きながら、これを長く続けるためには、肘を伸ばして、長い振り子のように腕全体を前後に大きく振るようにします。そうすることによって、腕が後方に引かれたときには、足が前方に大きく振り出されることになります。ウォーキングでは、腕が大きく振られたほうが、歩幅が広がり、腹筋と背筋を使って、勢いよく前進できるようになります。この歩き方によって、筋肉の収縮が盛んになって、筋繊維(筋肉細胞)がブドウ糖と脂肪酸を多く使って、エネルギー代謝を盛んにすることができるのです。