運動による健康効果は、単体で行うだけでなく、食事(栄養)や休養(入浴など)と組み合わせることによって高めることができます。健康効果といっても、さまざまな効果(筋肉強化、体脂肪減少、認知機能向上など)があるものの、その中でも日本メディカルダイエット支援機構が最も力を注いでいるのがエネルギー代謝の向上です。エネルギー代謝は、全身の細胞の中のミトコンドリアの中で行われていることで、エネルギー源(ブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸)を材料として、酸素を使って生命活動に必要なエネルギーを作り出しています。
運動と食事の組み合わせでは、食事の前の空腹時に体を動かすことで、筋肉に取り込まれるグリコーゲンを増やして、運動をするときにエネルギー源となるブドウ糖を多く作り出すことができます。そして、食後に行われる脂肪合成を抑えることもできます。その運動は筋肉を激しく動かす筋肉トレーニングだけでなく、ウォーキングだけでも充分な効果を得ることができます。
運動と休養の組み合わせでは、運動後に入浴をすると筋肉の中に存在している脂肪分解酵素のリパーゼの働きがゆるやかになって、脂肪の分解が進みにくくなり、その結果として脂肪の代謝が低下することになります。それとは逆に、運動後に入浴をせずに身体を休めているだけで、運動時に比べると脂肪の分解は徐々に低下してくるものの、30分ほどは脂肪の分解が続き、脂肪酸のエネルギー代謝も続いています。これを活かすことによって、脂肪のエネルギー代謝を進めようとするもので、ウォーキングによる運動でも歩き方によって体脂肪を減らす効果を充分に得ることができます。
詳しい理論と方法については次回から2回にわたって紹介しますが、無理をすることなく、無駄なことをせずに、余分な体脂肪として蓄積される分を、エネルギーとして使って、身体も脳も効果的に使える方法としてすすめています。