健康ウォーキング67 適度なウォーキングなら活性酸素の心配はいらない

活性酸素は全身の細胞を傷つけ、細胞レベルから徐々に健康度を低下させる要因となっています。吸い込んだ酸素のうち2〜3%は活性酸素になります。それは安静にしていて普通に呼吸しているときでも、運動をして酸素を多く吸い込んでいるときでも、割合としては変わりません。だから、多くの酸素を吸い込む運動ほど活性酸素が発生するようになります。
これは運動の身体的な負荷とは関係がなくて、酸素の量に関わってくるので、有酸素運動のウォーキングでは活性酸素も多く発生します。しかし、ウォーキングで、しかも無理のかからない適度な負荷のウォーキングでは、活性酸素の健康被害は、あまり考える必要はありません。というのは、活性酸素を消去する抗酸化酵素が体内には備わっていて、適度なウォーキングでは発生と同時に消去も行われているからです。
一定の時間に体内に取り込むことができる酸素の量は最大酸素摂取量と呼ばれています。この最大酸素摂取量の70%ほどまでは、活性酸素は少しずつしか増えていきません。抗酸化酵素が働くためには酸素が必要で、適度に吸い込んだ酸素が抗酸化酵素の働きを高めてくれるからです。ところが、70%を超えると抗酸化酵素では抑えきれなくなるために、活性酸素が急に増えるようになります。抗酸化酵素は酸素が送られてくれば、どこまでも働くというものではありません。限度があって、それが最大酸素摂取量の70%ということです。
70%というのは速歩のレベルです。これは会話をしながら、なんとか歩けるという速度のウォーキングのことで、5〜10分なら何度でも続けられる強度です。このような状態なので、ウォーキングは無理さえしなければ、活性酸素によって細胞が破壊されて、健康被害が出るようなことはないということです。